はじめに
パンを作ったことのある方ならお分かりでしょうが、
パン作りに欠かせないのが「塩」です。
レシピに当たり前のように含まれているこの「塩」
しかし、焼き上がりのパンを食べて
「すごーい!いい塩の味がするー!」なんて言う人はいないと思います。
まさに縁の下の力持ち的存在の「塩」
今回はこの「塩」のパン作りにおいての
役割について解説していきます。
事件はある日起きた
パン屋さんで働く私は、いつものように朝、職場にいきました。
パンはしっかり発酵しているかなと、発酵ルームに行ってみると、、、
一種類のパンが全く膨らんでいません。
マネージャーは
「昨日ミキシングした人が酵母を入れ忘れた」
と言っていました。
通常このお店では、パンの材料を計量する際、
水→酵母→粉→オートリーズ→塩
の順で行うため、私はそんなはずないんじゃないかと思いました。
「何かおかしいと思ったら舐めてみる」
これはパン職人の鉄則(笑)
私は、生の生地を少量口に入れてみました。
すると、、、
「しょっぱい。とんでもなく、しょっぱい」
少し量を間違えた。とかではないレベルのしょっぱさでした。
これでは発酵が進まないのも納得できます。
そして、この事件と同時に、
塩の重要性についてツイッターでもつぶやきました。
パンづくりでの「塩」の役割4つ
①味を調える
塩なしのパンを食べた事ありますか?
塩なしパンは、なんともパッとしない味です。(笑)
甘みも感じない。小麦の香ばしささえ感じない。
ぼやけた味です。
塩はパンの味を調え、引き締め、素材の味を引き立たせてくれます。
②グルテンが引き締まる
塩を入れる前の生地と塩を入れた後の生地は感触も変わります。
塩は生地を引き締め、弾力をつくってくれます。
③発酵の速度を緩やかにする
塩はイーストや酵母からのガスの発生を
抑制してくれます。発酵のブレーキをかけてくれるのです。
ゆっくりゆっくり発酵が進むと、
味のあるパンに仕上がります。
④雑菌の繁殖を抑制してくれる
塩は雑菌の抑制もしてくれます。
雑菌が少ないため、イーストや酵母が活動しやすい環境を作ってくれます。
まとめ
以上の4つが主な「塩」の役割です。
「縁の下の力持ち」的な存在な為、
入れるのを忘れてしまったり、量を間違ったりしてしまいがちですが、
役割を知ることで、パン作りに生きてくると思います。
皆さんも、ぜひ意識してパン作りを楽しんでくださいね。